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例大祭10新刊「鴉天狗のガールズパーティ!」・サンプル

お久しぶりです。
ピクシブで投稿しましたが、とりあえずこちらでも宣伝させて頂きます!
例大祭10にてこのこたび、またまた新刊を出しますのです。

「鴉天狗のガールズパーティ!」
p96/A6サイズ
値段は500円
スペース:H08b「そらにし」

はたてと文が女子会をやろうとして云々といったショートショート形式になっています。こういう形で一度、やってみたかったんですよね。中身は非常にぬるかったり、変に真面目だったりな内容となっておりますので、興味がある方はお手にとって頂けると嬉しいです。
そうそう、書いた本人も女子会が何か良く分かっていないので、老若男女に優しい1冊になってます。女子力ってなんだ、躊躇わないことですか。

挿絵・表紙絵はしゃもじさんに描いて頂きました。
表紙絵がコチラ!↓


はたてと文カワイイヤッター! 当日はこのポスターを飾りますので、よろしくお願いしますね!



残りは作品サンプルとなっております、興味がある方はちらりと見ていってやってくだせぇ。
それではどうぞー。












--------------------



「あ、いたいた。おーい文ー、こっちこっちー! 早く降りて来なさいよー!」

「――っと、ようやく見つけたわ」

「全くもー、空を飛んでいたんならもっと早く来てよ」

「話には聞いていたけど、本当にこんな人里のど真ん中だなんて思ってなかったのよ。もっと考えて場所を決めてくれない?」

「え? 何か問題でもあった?」

「私達の種族をもっと考えて欲しいってことよ。単体ならまだしも、妖怪が、しかも天狗が白昼堂々こうして固まっていると怪しく見えるでしょう?」

「ああ、それなら大丈夫よ。私、このお店の常連なの。
スタンプカードもすごい貯まってるし、お店の人には顔をバッチリ覚えられてるわ!」

「あっそう……あんた、外に出るようになってから本っ当にアクティブになったわねぇ……」

「よーし、文も来たからお店に入るわよ。天気も良いし、外のテーブルに座ろっかなー」

「確かに。今日は晴天だし、座るなら外がいいわね」

「そう? じゃ、そうしよっか。
 あ、すみませーん。えへへ、どうもー。うん、今日は二名で。外のテラスでいいですかー?」

「……うわ、まじに常連なのね。店員、アンタ見て嬉しそうだったわよ」

「むー、さっき言ったじゃないの。あ、どこでも座って良いらしいから適当に座りましょ」

「そうねぇ……流石に妖怪二人は目立つだろうから、店に近いところがいいかもしれないわ。店員も直ぐに来られるでしょうし」

「ん、ならあそこにしよっか。
 ふふ、それじゃあ始めるわよ――私達、鴉天狗による女子会をね!」










先見る天狗の青写真






えっと、これはお兄さんに初めて会った時の話なんだけど――






「射命丸文の対抗記者(スポイラー)、か。まさか彼女にそんな相手が居るとはね」
「そうなったのはつい最近の事よ。知らないのも無理はないわ」


 私、姫海棠はたては、妖怪の山に住む鴉天狗の妖怪である。
 妖怪の山。鴉天狗に加え、大天狗や白狼天狗などの数多くの天狗が住んでおり、天狗以外にも多くの妖怪と神がこの山を拠り所としている。昔は鬼がこの山全体を牛耳っていたのだけれど、地底への移住などのいざこざがあり、今では天狗が覇権を握る形となっていた。


「あ、私の名前は姫海棠はたてよ。文と同じ、鴉天狗の新聞記者ね」
「僕は森近霖之助。ここ香霖堂で、こうして店主をしているよ」


 そして私達天狗の種族の中では、自由に生きている内に様々な技術に目をつけ、それを生業とする者が増えている。私もその流れの中で新聞というものを知り、他の鴉天狗仲間も各々、新聞を製作することを楽しむようになっていた。
 ただ、新聞製作という物は一筋縄では行かない。相応の編集技術、機械を扱う技術、技術技術と多くのテクニックを要する。その中でも肝心なのは、新聞に記載するネタを集めること。これは幻想郷中を駆け巡っても、必ず手に入る物じゃない。
 事象が起きた場の近くに居合わせた運、その様子を細かに写真に納める判断力と撮影技術、それをどうやって新聞という薄っぺらい用紙にたたき込むかの表現力と構成力。幻想郷での新聞記者というのは、これらをほとんど一人でこなさなきゃいけないのだ。


「ふーん、店主ねぇ。接客態度からはまるきり店主の欠片も見い出せないんだけど」
「これが僕なりの接客に対するスタンスなんだ。好きな物があったらいつでも僕に言ってくれ。在る物大体は売り物だからね」


 実のところ、妖怪の山では天魔様の主催する新聞大会なるものが行われており、その上位者には身分関係なく見合った報酬が送られる。そのため、ほとんどの天狗達はその報酬の為、新聞の売名の為、たった一人で幻想郷を駆け巡る。
無論、私もその活動には勤しんでいたのだけど……ある時、自分にとある能力が備わっていることに気付いたのだ。
 私はコレを『念写をする程度の能力』と呼んでいる。


「売り物……? 見た限りは道具屋ってことでいいのかな。随分と辺鄙な所にお店構えてるけれど、ここって繁盛してるの?」
「繁盛しているかと聞かれたら、頷けはしないな。まぁ、大体は趣味のようなものさ。ここからだと、道具の収拾に行きやすいからね」


 その能力とは、持っている写真機にどんな写真が欲しいかをキーワードとして入力することで、そのキーワードにちなんだ写真を見つけることが出来るというものだ。
 実際に現場へ赴かなくとも自動的に写真が手に入る、便利という言葉を体現したような代物。この能力の開花によって、私は一つの思い込みをしてしまった。
『これならば、わざわざ外へ出る必要もない。ずっと家で編集作業と執筆に力を注げるんじゃないか』、と。
 その為私は外へ出ることを極力しなくなり、引きこもりのような新聞製作を長きの間続けることとなる。……それからだったはずだ、元々人気のない私の新聞『花果子念報』が、より知名度を無くしていったのは。
 初めの頃は理解出来ずに混乱していたけれど、冷静なって考えてみれば当然の事だった。


「収拾ってまさか、物の拾い売りをしてるってこと? 商売人としてとんでもないことしてるわねぇ……」
「……間違ってはいないが、少し語弊があるよ。僕が扱っているのは、一部に外の世界の道具があってね。僕は道具のリサイクル、リユースをしているのさ」


 どうして、新聞製作のために幻想郷を駆け巡る必要があったのか?
 それはもう簡単な事。誰よりも早く、当事者以外は知らないようなネタを、新鮮な内に形にしようとしているからだ。二番煎じの新鮮味に欠けるネタなど、手にとって読む気になどなれるはずもない。私の花果子念報は、まさしく二番煎じの新聞でしかなかったのである。
 だから誰も手に取らなくなり、存在は薄れていき、意味もなく紙を浪費することになっていたのだ。


「外の世界ですって? ……もしかして貴方、無縁塚に行ってるの? あそこ滅茶苦茶危ないわよ?」
「お気遣い感謝するよ。ただ、僕はハーフでね。どうやら妖怪には襲われにくい生き物らしいんだ」
「ハーフ……へぇ、珍しい。確かに妖怪は共食いをする連中は少ないからねー。襲われないのも納得かな」
「納得して頂けて結構。……さて、僕の素性を探りに来たわけでもないのなら、そろそろこちらからも聞きたいことがあるんだが」


 引き籠もってから数年。ようやくその事実に気が付いた私は、どうしたものかと仲間の新聞をぼんやりと眺める日々を続け――射命丸文の新聞「文々。新聞」に目を付けた。そして紆余曲折を経て、あの新聞対決へと発展。結果私は引きこもりを脱し、文の対抗記者(スポイラー)として再び幻想郷を駆けることになる。
 文に挑戦状を叩き付けたのは、自分にもかなり良い方向に働いた。ライバルの存在は大きいもので、互いに切磋琢磨することが出来る。これにより、私は幻想郷を駆けるための一つの目標を見いだすことが出来たのだ。
 文に負けない新聞を、魅力のある新聞を作るという大きな大きな目標。今まで抱けていなかったのは、殆ど趣味であったからというのが大きいと思う。


「ん、聞きたいことって?」
「君の目的だ。初めは客かと思ったがそうでもないようだからね。大方、何か僕の知っている射命丸文についてを調べに来たのだろう?」
「おー、話が分かる人……あ、半妖か。まぁ何でも良いや、とにかく助かるわー」
「妖怪らしいことはしていないから人で構わないよ。して、君は何をしにここへ来たんだい?」
「あ、それはね……」


 私が目の前にいる彼、森近霖之助の存在を知ったのは、それから直ぐのことだ。
 文の新聞の購読者がいると言うことを本人から聞いた私は、どんなマニアックな人間なんだと文に直接探りを入れたのである。
 その時は酒の席でもあったので、文は簡単に口を割って話してくれた。どうやら、購読してくれていることが随分と嬉かったみたい。
 そして私は、その人物の名前を聞いて、どこにいるのかもそこはかとなーく聞いて。


「文の新聞について、それはもう色々と聞きたいの。教えて貰えるかしら?」



 今、こうして直接会うことに相成ったのである。
















愛しむカメラに乾杯を






んーと確か、あれは丁度ひと月くらい前の事だったわね――






夕暮れ時の幻想郷にて、雄々しく存在を主張する妖怪の山。その山の中腹よりも上、九天の滝を越えた先。そこは天狗の住居が連なる区域であり、その場所の西側には、見晴らしの良い切り立った崖があった。
 標高の高さ、そして夕暮れ時と相まって、その崖から見渡せる景色はまさに幻想の美しさ。世界の美しさをすべて集約したかのような、神が愛した幻想郷と言うべき大自然が広がっている。ここに立っているだけで「美しい」という言葉の大半を垣間見たかのような。そんな錯覚に陥ってしまうほど、目に映る景色は素晴らしく、人妖怪全てを魅了する確かなモノがあった。
天狗達にとっても自慢の場所であり、宴会などの催しはよくここを使っている。しかし、普段はもう見慣れている景色のため、わざわざこの場に居座って景色を見ようとする酔狂な者は、そう多くはなかった。

 そんな絶景のスポットにて、動く影が一つ。それが私――伝統の幻想ブン屋こと、射命丸文である。
 私は酔狂にもこのスポットに胡坐をかいて居座り、とある作業に没頭していた。座る私の下には、縦横約六尺余りの大きめな空色のシートがあり、私の周り、つまりシートの上には、まるで露天商のように様々な道具が散らかされている。

 様々な道具というのは、もちろん作業をするための道具だ。
 細かい隙間の埃を取り除くためのブロワー。
 レンズの手入れに使う無水エタノール。
 そのエタノールを染み込ませるためのクリーニングペーパー。
 ボディの汚れを拭き取るセーム革。
 全体のブラッシングに使う小さめのブラシ……もうお分かりだとは思うが、私は今、自身のカメラの手入れを行っていた。

 カメラというのは実に繊細で、手入れを怠るとレンズが黴びたり、スイッチ部分に埃が溜まって正しく動作しなくなってしまう。他にも、放っておくと様々な問題が起きてしまうカメラという物は、まさしく生き物であると言っても良いかもしれない。それくらいにデリケートなのだ。
 そのため私は、暇な時間を使ってはこうしてカメラの手入れをしているのである。面倒だと思ったことはない。そもそも長らく生きている中、こうした事に時間を有意義に使えるのは良いことであろう。


「埃はこれくらいかしらね。試し打ち、試し打ちっと」


 ある程度の手入れは終えたので、動作がおかしくなっていないかを確かめるべく、私は持っていたカメラの背を開いてフィルムを取り出す。そして、実際に撮れる訳でもないが、カメラの照準を崖先の夕暮れ景色に合わせて構え、シャッターボタンを押した。
 手に掛かるスイッチの感覚と共に、カシャッとシャッターが切られる音が耳を通る。一瞬の世界を切り取る際に生まれる、聞き心地の良い音。決定的瞬間を一枚に収める時に起こる音。押した感触から、どうやら正しく動作できているようだ。


「ふふぅ、やはりこのシャッター音は良いわー」


 感想を述べ、私は恍惚の表情を浮かべる。他人に見られたら変人だと思われること間違いない。思わず独り言を出してしまうほど、私はこのカメラを気に入っているのだから。
 この音が味わえるのは、外の世界産のこのカメラの特権。いつまでも何度でも聞いていたい気分になる。シャッター音にまで拘り抜かれた精密機械。まさしく人類の英知の結晶とも言える一品であろう。

 数年前に無縁塚で見つけ、河童に少しカスタマイズしてもらって手に入れた、外の世界のカメラ。今こちらで手に入るカメラと比べて、使いやすさ、性能共に遥かに劣っている代物だが、私はこれを手放すつもりは更々無い。現段階でも十分に美しい写真を撮ることは出来るし、何より多くの取材を共にした長い付き合いなのだ。簡単に言ってしまえば、愛着が湧かないはずも無かった。

 持っているカメラを軽く上へと掲げ、私はうっとりと溜息を吐く。レンズを通して映し出す切り取られた世界。日の光を受けて鈍く輝く、銀と黒が合わさって織りなす渋いフォルム。ズシリと手にかかるレトロカメラ特有の重さがまた、このカメラの趣を醸し出す。
 ああ、どの要素をとっても筆舌に尽くしがたい。ただただ素晴らしいの一言。


「……ほほぁ、本当に良いわ」
「……随分とご機嫌のようだね」
「当たり前よ、好きなことしてるんだからとうぜッ!」


 舌を噛みかけ……いや、敢えて噛んだ。痛い。私の独り言に合わせるように重ねられたその問いかけに、思わず素で答えてしまいそうになったからである。
 そんな急な人物の登場に驚きつつも、私は持ち前の頭脳で何が起きたかを判断しようと試みる。まずは落ち着け、そうだ平常心だ。
 瞬時に、焦る心を切り替え現状を整理。……声と口調から予想するに、私の後ろには私もよく知る彼がいる。なんだ、考える必要もないことじゃないか。とにかく彼がいる、そう、それだけだ。
 しかしそれでも、疑問は尽きることなく出てきてしまう。まず第一に、なぜ彼がここにいるのか? そしてどうして私に話しかけてきたのか? ナンデ? ホワイ? ……だから落ち着いてってば私。
 そうだ、理由を考えている暇などないだろう。おそらく今彼は、動かなくなっている私を不思議な目で見ているに違いない。いや、可哀想なものを見る目かもしれない。ちょっとそそられるが話は別。とにかく、平常心で彼に問うのが先決だろう。
 言葉を飲み込んで一息、私は質問に質問で返す形で彼に問う事にした。


「……あやややや、驚きました。どうして貴方がここにいるんです?」


 少しだけおどけた様に答えつつ、私は声のする方へと振り返る。声が多少震えているのは気がつかないで欲しい。そして座っている体制で振り向いたからか、言葉とは裏腹に相手を見上げて睨むような形になってしまった事にも目を瞑って欲しい。出来れば上目遣いと判断してくれればいいんですが。
 そんな私の目線の先には、青と黒と白を基調とした珍しい着物のような装束を身にまとい、背中に大きな荷物を背負った中肉中背の男が一人。

 そう、幻想郷で香霖堂と言う物珍しい店を営み、私の文々。新聞を購読して頂いている、貴重で物珍しい店主――森近霖之助が立っていた。

テーマ : 東方プロジェクト
ジャンル : ゲーム

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