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太陽疾患。

はみゅんさんから許可が降りたので、今回の例大祭でゲストとして書かせて頂いたお空霖を。
お空は天然でノーブラ。これは譲れない。(本作と関係はありません)

あ、ちょっと文に手を加えちゃいました。


出てくる方々

霖之助 お空 地霊殿のお二方
--------------------------

「お空。最近、体調が悪かったりするかい?」


霖之助が言葉をかけると、霖之助をボーッと見ていたお空がワンテンポ遅く反応した。


「……え? ううん、特に悪くなってないよ。どしたのおにーさん?」


くてっとお空が首を傾げる。やはり……妙だと思ってしまうのは気のせいではないだろう。

お空の様子がおかしい。
霖之助がそう思い始めたのは、つい最近の事だった。



お空が香霖堂に来るようになったのは、星輦船とやらが幻想郷を騒がせる少し前の事。魔理沙が彼女を香霖堂に連れてきてからだった。
天真爛漫。彼女を一言で表すのなら、これほど合う言葉はないだろう。
心に黒い部分がないと言える程素直であり、無邪気な鴉の子。これで神の力を扱うというから驚きである。

魔理沙曰くお空は鳥頭らしく、始めは魔理沙が付き添いのような形で来ていたのだが、香霖堂とその店主である森近霖之助を覚えてくれたようで、最近では一人で訪れられるようになった。
店の様々なモノに興味を持ったのか、はたまた別の理由かは分からないが、今ではよく来てくれる上客といった風で落ち着いている。
……お使いの名目以外で商品を買うことはあまり無いので、そう呼ぶのは些か間違いかもしれないが。



そんな彼女の様子が、ここ最近どうもおかしい、というわけだ。

少し抜けている彼女の事だから、近頃のおかしな言動もまた彼女らしさなのかもしれないと思っていたのだが、何度も見ているとそう思えなくなってくる。
急に落ち着きが無くなる、たまにこちらを見て顔を紅くするなど、まだ幾つかあるのだが、それを見越して考えても、前に会っていた彼女らしく無いのだ。

何故お空は、急にあのような言動をとるようになったのだろうか。
霖之助はそのお空の言動の理由を考え……ある一つの結論に至った。

『もしかすると、お空は何かの病気にかかっているのではないか?』と。

そのおかしかったお空の言動を、病気の症状という事で括ってしまえばある程度合点がいく。
……だが霖之助は、そんな症状の病気など見たことも聞いた事も無かった。

元々霖之助自身、半人半妖なので病にはほぼ無縁であり、知識としては霊夢や魔理沙などの人間の病気くらいしか持ち合わせていない。
それにお空は妖怪であり、人間のみの病気もあれば妖怪にしか罹らない病気もあるため、霖之助の知識だけでは対応しきれるはずも無かった。

けれども、お空の変化の原因を探るためにはまず、彼女が病気であるかないかを見抜く必要があるだろう。
もし、何かしらの病気かもしれないと確信をもてれば、解決策をある程度探せるはずだ。
もし、病気でないのであれば……単に霖之助自身の勘違いということになる。何にせよ、それが一番なのだが。

なので、霖之助は少し考えてから、再びお空に尋ねることにした。


「ふむ……質問を変えようか。最近、君の体で変わった事はあったかい?」
「にゅ、体で変わったこと?」
「そう。お腹が空いた、眠くなったなどの生活面の事ではなく、ふと君の体が感じた異変……といった方がいいか」


彼女が理解できるよう、なんとか噛み砕けているであろう説明をする。
霖之助自身も分からず手探りなことなので、どうも説明ベタになってしまうのは仕方ない。

そんな甲斐もあったのか、それを聞いたお空がふと思いついた顔をした。


「あ、えっとね、そういえば、最近なんだかドキドキするの」
「ドキドキ? 心臓が、ということかい?」
「うん。なんかね、おにーさんを見てると、こう、胸の奥がふわぁーってあったかくなってドキドキし始めるの。
 地底の地獄のあったかさとは違う感じで……」


言いながら、お空は「ふわぁー」の部分を身振り手振りで表現しはじめる。
見る限り、どうやら苦しさといったようなものはないようだが。


「それは常時……いや、いつでも起きているかい? 時折起こるものかどうかも知りたいんだが……」
「ううん、いつでもじゃないよ。地霊殿でも時々あるくらい。
 けど今は……なんだかドキドキするよ。いつもよりもっとドキドキしてる」


そう言って、お空が霖之助を見て顔を紅くした。時々起こるものだが、今、その症状が起きているらしい。
動悸がすると顔が紅くなる、という現象と捉えるべきだろうか。

……これはもう少し聞いてみるべきだろう。思った霖之助は、更にお空に問いかける。


「それは、君の体にとっては辛いかい?
 痛みを伴うなどの、そういった症状が出てたりするとか……」
「えっとね、辛いってわけじゃないんだけど、体が熱くなるの。
 おにーさんを見てると、どんどん体が熱くなってきて……うにゅ、また熱くなってきたよ。んー、なんだろうこれ?」


体が熱いせいだろうか。首を傾げているお空の頬がどんどんと紅に染まっていく。


「お空、大丈夫かい?」
「だいじょうぶだよ。ただ、胸がぎゅーってなるの。なんていうか、切ないの」
「胸が締め付けられる……っ! そうか、もしかして……」


お空の言葉を聞いて、霖之助はある事を思い出した。
外の世界の医学書のどこかに、そんな症状が出る病気があった事を。


「? どうしたの?」
「……いや、君のその変化の原因が少し分かったかもしれないんだ」
「ホント? おにーさん、これって一体なんなの?」


お空自身も分からない手前、気になるのだろう。驚いた彼女がそう聞いて来る。
しかし、ここでお空自身に「君は病気だ」などと伝えるのは、些か可哀相である。遠まわしに、彼女が気づかないように取り計らうべきだろう。


「すまない、僕だけでは上手く説明できそうにもないから、君の主宛にその内容の手紙を書くことにするよ」
「おにーさんでも話すの難しいの?」
「あぁそうなんだ。けれども、君の主の力があれば何とか説明できそうなんでね。渡してもらえるかい?」


無論、これは嘘だ。
お空には申し訳ないが、地霊殿の主に先に知ってもらったほうが得策だろうと霖之助は思ったからである。


「うん、わかった。さとり様に渡せばいいんだよね?」
「あぁお願いするよ。では、そこにちょっと座って待ってて欲しいんだが」
「はーい」


お空が二つ返事で了承する。
霖之助は、お空がカウンターの椅子に座ったのを確認した後、彼女に気づかれないよう、棚から例の外の世界の医学書を取り出した。


「胸が締め付けられる、急に体が熱くなる。これはおそらく……」


推測し、整理して医学書のページを捲る。
そして、該当するであろう病気にいくつか目星をつけた霖之助は、近くの棚から紙と筆を取り出すと、凄まじい勢いで筆を走らせ始めた。











「……はぁ」


地霊殿の主、古明地さとりは盛大に溜息をついた。
さとりの手には、先ほど帰ってきたお空から渡された、表に緊急と書かれた一通の手紙。差出人は森近霖之助という男。
たった今、封を解いて読み終えたのだが……溜息を出さざるを得なかった。

数刻前に、お空がこの手紙を持って来た時は一体何事かと思い焦ったのだが、内容を読んでそんな気など吹き飛んでしまった。
溜息と一緒に、少し残っていた心配事も抜け切った気分なので……まぁ結果オーライという事にしておく。


「むむ、さとり様、どうかしました?」


すると、さとりの溜息に気づいたのか、近くにいたお燐が傍に寄ってきた。
間欠泉の異変が終わってから、いつも傍に居てくれる優しいペット。今も心配して来てくれたのだろう。


「いえ、大丈夫よ。ちょっと……この手紙に驚いただけなの」


そう言ってさとりは、持っていた手紙をそのままお燐に手渡した。
お燐の大切な友達のことなのだから、彼女にも読んでもらったほうがいい。

ちなみに、この手紙を持ってきたお空はその手紙の内容に沿い、念には念をということで休んでもらっている。
……実際、その必要は欠片もなさそうだけれども。

さとりから手紙を受け取ったお燐が、ヒラヒラとはためかせた。


「これって、お空があの店主から貰ったってやつですね。緊急とか書いてますけど、これがどうかしたんですか?」
「えぇ、読んでみてくれる?
 というより、読んでもらわないと分からないと思うわ……」
「にゃ、にゃぁ? それじゃ早速」


そしてお燐は手紙の内容を読み、少し驚いたかと思うと……さとりと同じように溜息をついた。


「えっと……あのー、さとり様。これってマジで言ってるんですかね?」


手紙を読み終えたお燐が、苦笑いを浮かべつつ尋ねてくる。
冗談でしょう、と言いたいのは心を読まずとも顔で分かる。さとり自身でさえもなったのだから。

手紙の内容は簡単なもので、病気の名前と兆候が事細かに書いてあるものだった。
霖之助がお空から聞いた内容に沿って、彼女が罹っているかもしれない病気がズラリと書いてあるのだ。
最後のほうに竹林の医者への紹介状と地図なども載せてあり、読む方に対してとても親切丁寧なものとなっていた。
けれども、ところどころ走り書きの様になっていたり、お空に気づかれないように、などと書いてあるのを見ると、本当にお空を心配して急いで書いたのだろうというのが伝わってくる。……伝わってくるのだけれども。

お燐の心境を細かに汲み取り、さとりは言葉を紡いだ。


「あなたの思った通りよ。先ほどお空の心を見てみたけども、お互い本気でそう思ってるみたい」
「いやいやいや、これは無いですって。どんだけ鈍いんですかあの店主! いや、分かってないお空もお空ですけどぉ!」
「本当、そうよねぇ」


わしゃわしゃと両手で髪を掻きながら、お燐が呆れ顔で言う。そう言いたくなるのは仕方ないだろう。

手紙に書いてある病気の症状とやら。こんなのをみれば百中百発、誰でもある答えに辿りつくでしょうに。
思いつつ、さとりは頬に手をあて「はぁ」と再び溜息を吐き、手紙に足りないお空の病気を呟いた。

そう、胸が熱くなったり、ドキドキしたり、時には切なくなったりもする。色んな顔を見せるあの病。


「全く……恋の病が入ってないじゃない」

テーマ : 同人小説
ジャンル : 小説・文学

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最初のほうの、ちょっと文に手を云々という一文を読んで、
つい「え、文ちゃんのネチョ?わぁい空×文!?」とか思っちゃったのは私だけで良い…

それはそうと、SS面白かったです!やっぱりお空はかわいい…
なかなか恋に気付けないお空ですが、いつになったら気づけるのでしょう?
恋が愛に変わったら、ですかね(クサスギル
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