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虎の威を狩る香霖堂。

先に渋にあげたものを。とりあえず渋の小説機能の過疎さは凄い。

星蓮船メンバー2連打。ナズが出ていますが、前回のナズとは違うので悪しからず。
そして星ちゃんは天然で乙女。異論は認めます、吸収します、妄想します。

何が言いたいかと言うと、星ちゃんマジ星ちゃん。



出てくる方々

霖之助 星 ナズーリン
--------------------------------

香霖堂に、とある有名な妖怪が来ていた。
金髪黒髪混じりでショートカットの珍しい髪を持ち、羽衣と虎柄の腰巻を身にまとう妖怪、寅丸 星。
毘沙門天の弟子という名を持ち、代理として信仰されている、非常に真面目で縁起のいい妖怪である。

そんな彼女が・・・・・・ペコペコと頭を下げていた。


「・・・・・・これで何度目だい?」
「うぅ、すみません、本当にすみませんっ」


謝る星を見て、霖之助は何度目か分からない溜息を吐いた。

星が失くした宝塔を取りに香霖堂に来る、というのはこれで4回目になる。ここまでくると流石に溜息の一つや二つは吐きたくなってしまう。
彼女自身は真面目なのだが、どうも天然と言うか・・・・・・うっかりやなのである。

初めの2回は商品として星に買い取ってもらっていたのだが、何度も繰り返しているとまるで徴収しているかのようで気が引ける。ましてや相手が毘沙門天の代理とくればなおさらだ。
なので、今では宝塔を拾って預かり、彼女が取りに来た時に返すという、預かり所のようなやりとりを行うようになっていた。


「とりあえず、今回もそのまま渡すけれど・・・・・・君は結構抜けているんだね」
「ぬ、抜けてるわけじゃないですよ。気を付けてはいるのですが、気が付くと無くなってるんです・・・・・・」


それを世間では抜けていると言うのではないのだろうか。と、言ったらまた繰り返しそうなので霖之助は口を噤んだ。
余計な事は口に出さない。客に対する商人の必須テクニックである。

・・・・・・まぁ、今目の前にいる人がお客かというのは些か疑問だが。


「とにかく、これは君にお返しするよ。これ以上無くさないようにしてもらいたい」
「はいっ、もう大丈夫ですっ!」
「返事はいいんだがね・・・・・・」
「うぅ~」


しゅんと星がうな垂れる。実際同じやり取りをもう三回繰り返したのだ。そう言われても仕方ないだろう。
・・・・・・それなのに、今回も普通に返すと言った形で甘く対応しまう自分も自分だが、と霖之助は心の中で苦笑いをした。


「コホン、そんなに物を落としたり失くしたりしてしまうのなら、いっそのこと全ての物に名前を書いたらどうだい。
 君の知名度はなかなかあるようだし、そうすれば拾った人が命蓮寺に届けてくれるだろう?」
「えぇっ!? そ、そんなことしたら毘沙門天代理の威厳が無くなってしまいますよ!
 まだ命蓮寺は出来たばっかりですし、私のせいで信仰が無くなってしまったら・・・・・・」
「・・・・・・僕にとって、もうすでにその威厳とやらはとうに無くなってるんだがな」


彼女に威厳とやらを感じたのは、彼女自身が初めてここに来た時だけである。
そして気付くとあっという間に威厳が無くなっている・・・・・・どこぞやの館の主を彷彿とさせる気がした。


「あ、でも霖之助さんの前なら大丈夫ですよ」
「どうしてだい?」
「え、だってここだと安心できて、それに――」


カランカラン!


星が次の言葉を言おうとしたその時、ドアのカウベルが鳴り響く。
それにより、霖之助は星が何を言ったのか聞き取る事が出来なかった。

そして、来店して来た人物は霖之助もよく知る・・・・・・


「霖之助君、失礼するよ」
「おや、いらっしゃいナズーリン」
「な、ナズーリン? どうしてここに?」
「ご主人様を迎えに来たんですよ。ダウジングロッドがここを示してたのでね」


そう言いつつナズーリンがロッドをひらひらさせる。
心なしか笑っているようなのは・・・・・・気のせいだろうか。


「おや、君のお迎えが来たみたいだね」
「もうっ、どうして子供っぽい扱いなんですかー!」
「ご主人様が世話になったね」
「ナズーリンまで!?」


ガクッと星がうな垂れる。もし今彼女に尻尾などがあったら間違いなく同じように垂れているに違いない。
気の毒かもしれないが、不思議と仕方ないとも思えてしまう。やはり星の性格、というより「うっかり」故だろう。


「ほら、帰りますよご主人様」
「え、あの、もうちょっとここに居ても・・・・・・」
「駄目ですよ、お寺で一生懸命威厳を取り繕っているあなたを拝みに来る参拝の方もいるんですから。
 全く、どうしてこんなドジっ子を拝もうとするのか・・・・・・」
「ストレートに言わないでくださいよぉ!?」


星がどんどんとうな垂れて行く。見ていると上下関係が逆なのではないかと錯覚しそうだ。
鼠が虎を説き伏せる。・・・・・・これは中々に珍しい光景である。

と、説き伏せた張本人がくるりと霖之助の方を向いた。


「霖之助君も迷惑をかけたね。ウチのご主人様が粗相をしなかっただろうか?」
「大丈夫だよ。抜けてはいるが、礼儀はわきまえているみたいだしね。
 それに、こっちは星が来ても困らないさ」
「そ、そうですか、ありがとうございます」


おずおずと星が礼を言う。あまり褒められ慣れていないのだろうか、少しだけ頬が紅い。
すると、それを見たナズーリンの口角が少しつり上がった・・・・・・ような気がした。


「ほぅ、それは良かったよ。それじゃあご主人様、帰ろうか」
「そうですね。店主さん、今回もありがとうございました」
「何、店主としての仕事をしたまでさ。今度こそ気を付けて貰いたいね」
「う、わかってますよ。・・・・・・それでは」






ペコリとお辞儀をした星と、ナズーリンの二人が去り、香霖堂に静けさが戻る。
そして静かになったところで、霖之助はある疑問について考え始めていた。
本当は二人に聞いておくべきかと思ったが、聞いたところできっと分からないだろう。

霖之助が疑問に思っていること、それは、


「・・・・・・何故こんなにも、あの宝塔が流れてくるのだろうか?」


いくら星がうっかりで宝塔を失くしてしまっても、必ずここに流れ着くわけでもない。
親切な人がいるならば、そのまま命蓮寺に持っていって解決するだろう。悪い人がいるならばここに流れ着くはずも無い。

何かの能力でアイテム同士が引き合っているのか、それとも違う力が関係しているのか。


「まぁ、考えていても仕方ないな」


考えて分からない事はそれ以上考えない。そうでもしないとこの幻想郷では生き残れない。常識に囚われてはいけないとは上手いものだ。

それにどんな因果であれ、彼女が来てくれるというのはこちらとしても嬉しい。
彼女の能力は「財宝が集まる程度の能力」であり、古道具屋を構えている自分には適している。つまり、彼女が来てくれるだけで財宝が手に入る確率が上がるのだ。


「それに、彼女と話すのは・・・・・・楽しいからね」


今度彼女が訪れた時は、抜けているお嬢さんではなく、毘沙門天代理の上客として迎えることにしようか。
そう思った霖之助は、また来るであろうあのうっかりさんを思い出し、人知れず笑みを浮かべた。







数刻後、命蓮寺手前。星とナズーリンが二人並んで歩いていた。


「・・・・・・それにしても凄いですね」
「何がですか?」


ポツリと呟いた星の言葉に、何の事かとナズーリンは星の方へと首を向けた。


「香霖堂のことですよ。私が失くしてしまった宝塔が必ずたどり着いているなんて凄いと思いませんか?」
「・・・・・・えっ」
「? どうかしましたか、ナズーリン」


ポヤポヤしている星の発言に、ナズーリンはつい驚いてしまった。
まさかとは思うがもしかして、いやこの人だから多分、おそらく、絶対に。


「ご主人様。もしかして、気付いてないのですか?」
「何がですか?」
「・・・・・・いや、なんでもないですよ」
「?」


頭に疑問符を浮かべている星を見て、ナズーリンは黙っておく事にした。

星が失くした宝塔をいち早く自分が見つけていることを。
それをわざわざ香霖堂の近くや無縁塚に置いて、霖之助に回収させていることを。
・・・・・・そして、星自身に取りに行かせている事を。

そんな回りくどい事をしている理由は簡単だ。星が霖之助を好いているからである。おそらく、気付いていないのは本人たちだけだろう。

その事に気付いた白蓮が「応援したいわ」と、ナズーリンに星のサポート役を任せたのがつい最近の事。
ナズーリンにしてみれば、毘沙門天代理の監視、サポートを両立しなければいけなくなったのだが・・・・・・楽しいため良しとしていた。


(しかし未だに私たちの行動に気付いていないとは・・・・・・ウチの主人は相当な大物だね。
 まぁ、あの店主も主人を気に入っているみたいだからいいとするか)


店主の口ぶりから考えて、主人になかなかの好感を持っているように見える。
信仰だけでなく、好感度も集めるのか。毘沙門天の弟子は伊達じゃないのかもしれない。

ならば、とナズーリンは次の手を考え・・・・・・思いついた。


「あぁ、そうだご主人様」
「あ、はい、なんでしょうか?」


星がさっきの話を追求することなくナズーリンに聞き返す。真面目なのはいいことだが、それはそれで駄目な気もする。
と考えたが、今は自分の思い通り進んでいるのでナズーリンは気にせず話を続けた。何事も結果オーライだ。


「なに、もう何回もあの店に世話になってしまっているから、今度謝礼の品を持って行くのはどうかと思いましてね」
「あ、それはいいですね。そうもしないと毘沙門天としての威厳が危ぶまれますし。・・・・・・では、ナズーリンも一緒に来てく」
「もちろん、ご主人様一人でね」
「ふぇっ!? そんな、今でも少し恥ずかしいのに・・・・・・」
「まだ慣れてなかったんですか。いくら男性経験がないといっても流石に慣れてくださいよ」


もう次で星が香霖堂に赴くのは5回目である。そろそろ慣れてくれないとナズーリンとしても策を講じ辛い。


「うぅ、やっぱり一人で行かなくてはいけないのですか?」
「当たり前ですよ。宝塔を失くしているのは誰だけですか?」
「わ、私だけです」
「ならば、今度渡そうとする謝礼を持って行くのは誰だけですか?」
「わ、私だけですね」
「ですよねー」
「むぅ~・・・・・・でも、そうですね。元はと言えば私が原因ですし、しっかりとしなければいけませんね!」
「おぉ、さすがご主人様だ」


星がキリッとした顔つきで意気込み始める。やはり弄りやすいと扱いやすくもあるな、とナズーリンは納得していた。
一応罪悪感もあることはあるが、これも主人のためである。そう、やはり結果オーライだ。


「よし、そうと決まれば早速謝礼の品を用意しなければいけませんね。
 ナズーリン、何か良い物はありませんか!?」
「いや、そこはご主人様が考えてくださいよ。まぁ、強いて言うなれば・・・・・・」


言いながら、ナズーリンは頭を回転させる。
謝礼の品を持って行かせるときは、主人に違った知識を教えておこうか? それともストレートに行かせようか?
どちらにしても、この主人ならきっと何かをしてくれるに違いない。

いやはや、この鈍感たちがくっつくのが何時になるのか・・・・・・実に楽しみである。
わくわくと返答を待っている主人の顔を見ながら一手を考えつつ、ナズーリンは人知れずほくそえんだ。

テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

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