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鼠も歩けば猫に当たる。

一月ぶりです。OSS(お久しぶりショートかもしれないストーリー)です。

星蓮船のキャラへの煩悩を叩きつけたらこうなりました。さすが煩悩さん、マジぱねぇっす。
今度からはもっと叩きつけようと思います。あなたと私でレッツ パーリィ!



出てくる方々

霖之助 ナズーリン お燐
---------------------------

「ふにゃー!」
「あっ、こら、や、やめないか!」


とある日の香霖堂。カウンターに座る霖之助の目の前で珍しい光景が広がっていた。

一方には、死体ツアーコンダクターと呼ばれる火焔猫 燐。
そしてもう一方には、ダウザーの小さな大将と呼ばれるナズーリン。
その二人が熾烈な争い・・・・・・いや、自然の摂理を体言していた。


「いやぁ、やめろと言われても・・・・・・ねぇ?」
「ねぇ、と言われても私は賛同できないな。いいからさっさとやめてくれないかい?」


片方は猫、もう片方は鼠。
言わずもがなかもしれないが・・・・・・ナズーリンが燐に襲われかけていた。

もちろん、ナズーリンは捕まるまいと逃げ回り、燐は燐で獲物を捕まえようと追いかける。
それにより、店内は埃が舞うだの商品が落ちそうになるだの、非常にドタバタな状態にあった。


「・・・・・・君たち、遊びは出来れば外でやってくれないか?
 ここだと、毛やら埃やらが舞って掃除が大変になってしまうよ」
「ん、分かったよお兄さん、それじゃ外で・・・・・・」
「しなくていい、というより私は遊んでいない! その前に君はこの酷い現状を前にやる事があるんじゃないか?」


霖之助の問いに素直に従おうとする燐と、全力で避けながら否定するナズーリン。
・・・・・・立場が違うとここまで対応が違うものなのか。と、霖之助は勝手に感心していた。


「酷いとは人聞きが悪いなぁ鼠さん。あたいはちょーっとばかし遊んでいるだけさ・・・・・・狩りという遊びを」
「随分と一方的で高尚な遊びを嗜んでいるんだね。卑近で鼠な私にはあまり関心出来ない遊びだ。
 君はこんな物騒な戯れより、死体運びの方が似合っているのではないかい?」
「たまにはこうやって戯れたくなるのさ。これでも一端の猫だしね、ふにゃー!」
「くっ、だからやめないかっ!」
「二人とも、だから遊びは外でやってくれと・・・・・・」


流石にこれ以上騒がれてしまうと、いよいよ商品にまで被害が出てしまう。それだけは遠慮願いたいところである。
すると、未だ懸命に避け続けているナズーリンが、キッと霖之助を軽く睨んできた。


「霖之助君、私は遊んでいないと言っただろう。
 それに私はこの状態を望んではいないんだ。これ以上店で暴れて欲しくないのなら、あの猫を止めてもらえるかい?」
「・・・・・・君も素直じゃないね。そんな脅さずに、助けて欲しいと一言言えばいいじゃないか」


実際、霖之助自身はこの状況を止めようと思えば止められるのだが、どうも止めようとする気が出てこない。
というのも、どうみても燐は本当に遊んでいるといった感じなのだ。・・・・・・ナズーリンにとっては全く違うのだろうが。
それに・・・・・・この状況をもう少しだけ見ておきたいという気もある。

霖之助がそう思っていると、ナズーリンが少し不機嫌な口調で再度口を開いた。


「分かっていないな霖之助君。私は駆け引きをしているんだ。
 あの猫が止まらないのなら、私はやむなしにここの店の商品を壊してしまうかもしれない。
 商品を大量に壊されて賠償金を請求するのか、猫を退けて君の商品を失わず事なきを得るのか。
 ・・・・・・霖之助君なら、どちらが利口な選択か分かるだろう? って君は手加減を知らないのか!」
「にゃはは、いやーつい、ね?」


ナズーリンが霖之助と話している間にも、燐は容赦なくナズーリンへと手を伸ばす。もはや習性の域なのだろう。


「全く・・・・・・さぁ霖之助君はどうするのかな?」
「・・・・・・やれやれ、全くはこちらの台詞だよ。
 結局は猫を退けるためにある程度は失ってしまうじゃないか」


霖之助がゆっくりと腰を椅子から上げる。ナズーリンの脅しとも言うべき駆け引きには乗らざるをえないからだ。

香霖堂に倉庫はあるのだが、湿気が駄目だったり、手入れを怠ると価値が下がってしまったりする、倉庫に置くに置けない非売品がある。
つまり、壊されると困る一部の商品を店に置いてしまっているのだ。それを壊されるわけにはいかない。

そして、そろそろ止めないと流石にかわいそうでもある。


「およ、お兄さん、あたいとやるの?」
「合理的にね。・・・・・・さて、お燐。
 もしここで手を引いてくれるのなら、今度来てくれた時にこの前入荷した猫缶を進呈しようじゃないか」
「にゃ、ホントかいお兄さん!?」


霖之助がそう言った途端、燐が急停止してこちらに向かってきた。
猫などの動物は食べ物に弱いと聞く。そして、その食べ物のためなら結構忠実だとも聞く。霖之助はそれを利用しようとしたのだ。
・・・・・・実際、あまりにも正直すぎて驚いたのだが。


「あぁ、その代わり・・・・・・わかるね?」
「了解だよ、ちょっと残念だけど今回は帰ろうじゃないかっ。
 もし嘘だったら運んじゃうからね、お兄さん!」


今にもよだれを垂らしそうなくらいに燐が目を輝かせる。素直に従ってくれるのはありがたいが・・・・・・少々の罪悪感も出てくる。
ちなみに運んじゃう、というのは「殺してその死体を猫車に入れて貰ってしまう」という意味だ。さり気なく物騒である。


「大丈夫だ、香霖堂の看板に誓って保証するよ。もし嘘だったら運んでしまって構わない」
「ようし、それじゃあ今日はここらにしておくよ。命拾いしたね、鼠さんっ。それじゃあねお兄さん」
「あぁ、明日にでも来るといい。用意しておくよ」
「にゃはは、よろしくー」


にぱっと燐は笑うと、そのまま店を出て行ってくれた。とりあえずは後で倉庫から彼女お望みのアレを持ってこなければ。
そう思った霖之助と同時にナズーリンは溜息を吐く。やはりあそこまで逃げていれば疲れるだろう。

霖之助が椅子を差し出すと、「どうも」と言ってナズーリンが腰掛ける。そして、霖之助自身もカウンターへと戻って椅子に腰掛けた。


「・・・・・・さて、危機は去ったといったところかな。ナズーリン、大丈夫かい?」
「ぐぅ・・・・・・私としたことが、こんなヘマをするとは・・・・・・」
「不思議なものだね、君は危険を察知するのは得意だろうに。
 どうしてお燐が来ているのに、わざわざここに来ようとしたんだい?」


ナズーリンの言った事に霖之助は同感だった。
災害などが近づいてくると、鼠などの小動物は危険を察知して、すぐに被害が出ない場所へと移動する習性がある。
なのに、今回は燐が先に香霖堂に来ていたのにも関わらず、ナズーリンが店に入って来てあの状況になったのだ。


「確かにそういった事は得意だが・・・・・・その、なんだ。
 油断していたというのもあるのだが、どうしてもという時が生き物にはあるだろう?
 そして今日、私がそういう状況だったというだけさ」
「そういう状況? それは一体・・・・・・」


その状況とはよほどのことだったのだろう。ここに来なければ危険という状態にあったのだろうか。
霖之助はその事を追求しようとしたが、ナズーリンに人差し指を立てられ制されてしまった。


「こら、詮索するのはあまり好ましくないな霖之助君。そういうのは察してくれないと困るんだがね」
「いやいや、賢将が何をしようとしているのかを察するなど、無知な僕が理解できるにはまだ早いんじゃないか?」
「褒めてるつもりかい? 一応は受け取っておくことにしようか」
「これはどうも。まぁ実際、君の考えている事を理解するのはなかなか出来ないんだがね」


卑近なダウザーとも呼ばれるだけの事もあり、なかなかにナズーリンの考えている事は読めない。
現時点でも、彼女がどう出てくるかは全く持って読めず分からない。だからこそ彼女との会話は楽しめるのだが。


「・・・・・・結構、私も単純だったりはするよ」
「ん? 今・・・・・・」


ナズーリンが何かを言ったが、霖之助は聞き取ることが出来なかった。
もう一度聞こうとすると、彼女はまた手で制してくる。


「何でもないさ。しかし、今日は見られてはいけないところを見られてしまったな」
「そうかい? 僕はなかなかに面白いところを見せてもらったと思ったんだが」


先ほどの出来事を思い出したのか、はたまた霖之助の言葉に呆れたのか、「はぁ」とナズーリンが溜息を吐いた。


「第三者にしてはそうかもしれないが、私にとっては窮地に追い込まれたような状態だったんだ。
 ・・・・・・あんな風に慌てるのは仕方ない事なんだよ」
「慌てる? それにしては、やけに僕に対して冷静に取引を持ちかけたじゃないか」
「それは君だからだよ。君の前では恥ずかしいところを見せたくないだろう?」
「え?」


普段ナズーリンから聞けそうもない言葉が聞こえたので、霖之助は思わず聞き返してしまった。
対するナズーリンは、一瞬しまったといった顔をしたが、すぐに表情を戻して話し出す。


「あ、いや・・・・・・忘れてくれ。さっきの事があったから未だに落ち着いていないみたいだ」
「なるほど、君もなかなかに負けず嫌いだね」
「む、霖之助君と一緒にしないでもらいたいな。私は単純にその姿を見せたくなかっただけさ。
 君だって見せたくない姿の一つや二つ、無いはずが無いだろう?」


霖之助の言葉に、少し頬を膨らますナズーリン。それを見ながら数秒考え・・・・・・霖之助は苦笑いを浮かべた。

確かにそういった姿を見られ、後で話のネタにされるとなると怖ろしい。目の前のダウザーには特に、だ。


「まぁ、無くは無いね。それで、あの姿が君の見せたくなかった姿というわけか」
「そういうことさ。やれやれ、末代までの恥だよ」
「まぁいいじゃないか。今日の少し慌てた君はなかなかに可愛かったと思うよ」
「っ!」


霖之助の言葉に、ナズーリンは急にそっぽを向いてしまった。
・・・・・・何か不味い事でも言ってしまったのだろうか。


「な、何馬鹿なことを言ってるんだ君は。褒めて私の機嫌を取り繕うとしても無駄だよ?」
「褒めてるわけじゃないよ。ただ普通にそう思っただけさ」
「・・・・・・それだから困るんだ」
「?」


相変わらずそっぽを向いてしまっているので、ナズーリンの顔を窺うことが出来ない。
・・・・・・少なくとも、ナズーリンが困るような事を言ったつもりはないのだが。

そう霖之助が思っていると、「はぁ」と再び溜息を吐いてナズーリンが椅子から立ち上がり、こちらに向き直る。
その顔には、やれやれとでも言いたそうな表情が浮かんでいた。


「・・・・・・全く。今日はどうも調子が出ないな。今回はここらでお暇させてもらうとするよ」
「おや、そうかい。今度はお燐や橙が居ないときに来るといい」
「んぐっ・・・・・・なるべくそうしたいね。それじゃあ、また来るよ霖之助君。
 そのときはまた、品物か何かで話し合おうじゃないか」
「あぁ、また今度」


そしてナズーリンは、香霖堂を後にした。









「全く、あの店主はいつもああだな」


香霖堂を出て数分。ナズーリンは先ほどのやりとりを思い出して独りごちた。
いつもいつも変わらぬあの男の性格。そして・・・・・・


「可愛いなんて・・・・・・初めて言われたじゃないか」


思い出し、ナズーリンはブンブンと頭を振る。普段言われ慣れていない言葉を聞くと、やはりどうもむず痒い。それが本意からだとすると尚更だ。
今度からは、そういった言葉にも耐性を付けておかなければ。またボロを出してあの男にペースを握られるのは癪である。

でも、少しくらいは・・・・・・


「いや、何を考えているんだ私は」


再び頭を振って邪念を飛ばす。どうにもこうにも、今回の出来事のせいで何やらもやもやするようになってしまった。
その原因を考えて、行き着くのは・・・・・・やはりあの店主。


「・・・・・・ふん。
 今度行った時には、必ずあいつの弱みを見つけてからかってやろうじゃないか」


きっとその時には、このもやもやもすっかり取れているのだろう。
そう思いながら、そう思い聞かせながら、ナズーリンは命蓮寺へと戻るため、歩く速度を速める。

・・・・・・そんな彼女の頬がいつの間にか紅く染まっていた事に、彼女自身、全く気付けていなかった。






おまけ

「ご主人様、ただいま帰ったよ」
「おや、おかえりなさいナズーリン。今日は・・・・・・香霖堂へ行ってきたんですね」
「っ!? ・・・・・・どうしてそう思ったんだいご主人様?」
「え? だって、とても嬉しそうな顔してるじゃないですか」

テーマ : 同人小説
ジャンル : 小説・文学

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