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記事と無料は使いよう。

そういやうちのブログって、ユリリタに次いではた霖(?)が多いんですね。

両方マイナーとか言われると、もれなく涙が零れます。
いいじゃない、ユリリタとはた霖。胸が熱くなるよな!


出てくる方々

はたて 文 霖之助
--------------------------------

「・・・・・・ねぇお兄さん、どういうこと?」
「どうと言われても、そのままの意味なんだが・・・・・・」


香霖堂に不穏な空気が漂っていた。
目の前にはとても不機嫌そうな新聞記者のはたて。手にはとある新聞。

正直、霖之助はどうしようもない状態だった。
何故はたてがこんなに怒っているのか、それは十分に分かっている。分かっているのだが。

そのはたてが、ダンッと新聞ごと両手で店のカウンターを叩き、プルプルと震えながら霖之助に新聞を突きつける。


「な・ん・で、お兄さんが文の新聞を購読してるのよ!?」


・・・・・・あまりにも気付くのが遅すぎるのではないだろうか。


「いや、はたて。僕は当の昔に知っていると思っていたんだが・・・・・・知らなかったのかい?」
「今日文から聞いて初めて知ったわよ! あの時の文の勝ち誇った顔といったら・・・・・・う~!」


はたてが癇癪を起こしながら持っている新聞をくしゃくしゃに丸める。同業者に何を言われたのか分からないが・・・・・・大体の想像はつく。
くしゃくしゃにするのが、店の隅に積み上げられた古い文々。新聞というところは彼女なりのマナーか。

考えてみると、今までよく気づかなかったものだ。一度はたてが居るときに文が新聞を届けに来た気がするが、まぁ場面も場面だったので彼女自身覚えていないのだろう。
そして、はたてが気づかないよう文が裏で情報操作でもしていたのかもしれない。

しかし、霖之助が文の新聞を購読していたからといって、彼女の怒りようはそれに見合わないくらい酷い気がする。
現に今、くしゃくしゃの新聞を解いてまたくしゃくしゃにしているくらいだ。


「はたて、僕が新聞を購読していてもなんら問題は無いんじゃないか? それとも、そんなに自分以外の新聞を買われるのが嫌なのかい?」
「むぅ、そういうわけじゃないんだけど、お兄さんが文の新聞を買っていたってとこが駄目なのよ。文とはライバルなんだから・・・・・・」
「そうか・・・・・・そうだったね、悔しいと思ってしまうのも仕方ないか」


はたては文と新聞で対抗し合っていると言っていた。彼女がここに来たのもそれが元とも聞いている。
その状況で、目の前にライバルの新聞を購読している人が居れば確かにそれは悔しいだろう。


「とにかく、文の新聞なんかよりも私の新聞を買って欲しいわよ。・・・・・・勧誘しなかった私も私だけど」


頬を膨らませてはたてがそう愚痴る。
彼女は常連なので買ってあげたいのは山々なのだが・・・・・・。


「そうは言っても、こちらは新聞一つで十分だからね」


一つの新聞を購読しているのに、わざわざまた新しい新聞を買うのは滑稽だ。
それぞれ新聞の内容はともかくとして、お金を払って二度手間のようなことは流石にしたくない。
只でさえ、白黒紅白のおかげでお金が入ってこないから、あまり無駄遣いはしないようにしているのだ。

そのことを伝えると、はたては何かを思いついたのか、先程叩いたカウンターにグイッと身を乗り出してきた。


「むむ、ということは・・・・・・ねぇお兄さん。買うのが滑稽なら、無料で貰うのは平気なの?」
「無料で?」
「そ、無料で配るの。ほら、外の世界で『サンプル』とかいうのがあるらしいじゃない?
 それってお試しみたいな感じで新聞にも使えるでしょ?」
「あぁ、確かにあるらしいね。そうか、無料か・・・・・・」


無料で貰えるのなら話は変わる。金を払わずに違う情報誌が手に入るのは良いかもしれない。
今幻想郷で起こっている事象を、二つの新聞で読むのはなかなか面白いのではないか。

そして、霖之助は店を構える一人。何より現金なのだ。
タダより安いものは無い。それに惹かれないわけがない。


「まぁ、新聞がかさばってしまうかもしれないが悪くは無いね。それじゃ、お願いしようかな」
「やったぁ! ・・・・・・じゃなかった、毎度あり~♪
 あ、お兄さん、それでひとつだけお願いがあるんだけど」
「なんだい?」
「そのサンプルを渡す間、私の新聞の良し悪しを少しでいいから教えてもらえない?
 そうしたら、もっといい新聞になるように頑張るから」
「良し悪し・・・・・・僕が評価してもいいのかい?」
「うん、というかお兄さんにしか聞けないのよ。だって頼れるのお兄さんくらいだし・・・・・・」


はたてが両手の人差し指を合わせながらもじもじしている。
人の関わりが少なかったため、人に頼るというのにあまりなれていないのかもしれない。

・・・・・・ならば、期待に応えなければ。頼ってもらえるとは嬉しい限りだ。


「ギブアンドテイクとやらだね、構わないよ。
 けれど、人の意見を取り入れすぎると君の『らしさ』が無くなってしまうから気をつけるように」
「ありがとっ。わかってるわ、私の新聞で文に勝たないと意味無いからね!」


とても嬉しそうにはたてが宣言する。この様子なら、きっと大丈夫だろう。


「それは良かった。なら、僕は君の新聞を楽しみに待つことにするよ」
「どうもっ、それじゃあ早速明日には渡せるように取材してくるわ!」
「明日? 随分急ぐんだね?」


新聞は案外凝った造りになっている。外の新聞などを見るとそれがよく分かるものだ。
それを取材から印刷まで、いくら少ない記事にしても一人でやるには流石に明日だとキツイのではないだろうか。


「でもほら、見てもらうのなら早い方がいいじゃない? それに・・・・・・お兄さんと多く話せるし」
「それは光栄だが、取り入れすぎては駄目だt」
「いや、そうじゃなくて・・・もぅ・・・まぁいいわ、とにかく楽しみに待っててよね!」
「? あぁ、楽しみにしてるよ」


そう言うとはたてはパタパタと急いで店を出て行った。今から新聞のネタ探しなのだろう。

天狗は一人で新聞を作るため、記事には偏りが出来る。つまり情報誌といえども内容は結構異なるのだ。
それが一月に数回届くとなれば、考察の時間も増える。・・・・・・まぁ、内容はともかくとして。


「これは・・・・・・なかなか楽しみだな」


静かになった香霖堂で、霖之助は密かに期待に胸を膨らましながらそう呟いた。







「ちょっと、霖之助さん! どういうことですかっ!」


一日後、つまりはたてが新聞を届けに来る日、扉を壊さんばかりの勢いで文が香霖堂に飛び込んできた。
そして来て早々、バンッと思い切りカウンターを両手で叩く。・・・・・・どこかで見たことがあるような気がする。


「文、壊すのならせめて、せめて窓だけにしてもらいたいんだが。
 ・・・・・・そんなに慌ててどうしたんだい?」
「そりゃ慌てますよ! この記事、何なんですかっ」
「記事?」


そう言って文は、懐から新聞を取り出して霖之助に突き出した。
何故かくしゃくしゃになっていたのは・・・・・・突っ込まない方がいいだろう。

そして霖之助はざっとその記事に目を通し・・・・・・驚いた。


「っ、これは・・・・・・!?」


文が霖之助に突き出した記事。それははたての花果子念報だった。
その点は特に驚くべきものではなかったのだが、内容に問題があったのだ。


「――今日発行の新聞より、森近氏と共同してこの新聞を創っていく事が決定し・・・・・・(一部抜粋)」


いや、間違ってない。間違ってはいないが、色々抜けているし、誇張されすぎだろう。


「これを見せられた時のはたての勝ち誇った顔といったらもうっ・・・・・・じゃなくて、
 さてと霖之助さん。私の新聞を購読してくださっているのに、はたての新聞に浮気・・・・・・どういうことかきっちりしっぽり説明してもらいましょうか?」


ニコニコと、文花帖とペンを持った笑顔の文が霖之助に迫る。目が・・・・・・笑っていない。


「いや文、待ってくれ、これは事情があってだね。
 というか、何故僕が弁明しなければ・・・・・・」


仕方無しにこの新聞に対する言い訳を考え始める。
真実を伝えたとしても、それはそれでアウトなのだろう。そもそも何故浮気が出てくるのかこっちが聞きたいところである。


(これはまた、骨が折れる・・・・・・)


心の中でため息をつきながら頭を捻る。無料に惹かれた結果がこれを招いたとは・・・・・・何とも怖ろしい。
そして霖之助は、この状況を招いた新聞を見ながら、否応無しに新しい言葉を覚えることとなった。

・・・・・・そう、『タダより怖いものは無い』と。

テーマ : 同人小説
ジャンル : 小説・文学

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引きこもりでも流石は天狗、抜け目ないな。
このあと文も霖之助さんからアドバイスを貰うようになって…なんて展開でしょうか。
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