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取材と天狗は使いよう。

まさか続くとは誰が思っていただろうか。少なくとも自分は思ってませんでした。



注意!

・東方Projectの同人小説です。
・ほんの少しだけ前回が絡んでたり。ほとんど関係なかったり。
・文はオチ担当的な(
・はたては可愛いと思う。


登場人物

霖之助 はたて 文
---------------

「やっぱり、お兄さんから取材した方がいいと思うのよ!」
「・・・・・・いきなりだね」


香霖堂に来て早々、鴉天狗の新聞記者であるはたてはそう言った。
この堂々としていて突発的に動く様は、どこか同じ鴉天狗の文を髣髴とさせる。


「前々から思ってたのよね。ほら、お兄さんって物知りでしょ? そういうお兄さんの知識だとか薀蓄とかを、毎号毎号ごとに載っけたら面白いと思わない?」
「なるほど、一つのコーナーを作るわけか。なかなか面白そうだが、改良はもういいのかい?」
「っ!?」


するとはたては、いきなり顔を真っ赤にして黙ってしまった。
数日前、彼女が霖之助を監視していたことが判明して以来、霖之助がそれについて言うとこうなってしまうのである。・・・・・・やはりきつく言い過ぎたのだろうか。
霖之助が謝罪の弁を入れようとしたとき、ツインテールをブルブルと振ってはたてが復活した。


「う~! 改良はもういいわよ! 機能はパワーアップしたし、使いやすくなったし・・・・・・今でもお兄さんを十分に撮れるし」
「? 今何か・・・・・・」


「変な単語が聞こえたんだが」と霖之助は聞こうとしたが、被せるようにはたてが捲くし立てる。


「と、とにかく! 今から取材したいからお兄さんは準備してもらえる?」
「ああ、わかったよ。ただし、お客が来たら中断するからね」
「お客ねぇ・・・・・・うん、了解よ」


霖之助の出した条件に、はたてが頷き了承を示した。


「そうだ、準備と一緒に茶菓子を持って来よう。その方がお互い楽に出来るだろうからね」
「あ、うん。ありがとー」




店主、少女準備中・・・・・・




茶菓子を持ってきて準備すること数分。霖之助もはたても、取材への準備が整い終わっていた。


「はい、それじゃこれから色々質問を投げかけるから、じゃんじゃん答えて言ってね」
「? 僕の薀蓄を取材で聞くんじゃないのかい?」
「今日はウォーミングアップよ。私があまり慣れてないとお兄さんから事細かに聞けないでしょ? 薀蓄とかは後々聞いていくわ」


外に出たはいいがあまり取材には慣れていないのだろう。なにより、事前練習は大事である。
・・・・・・そういえば、初めてはたてから取材を受ける気がする。


「そうか、それではお手柔らかに頼むよ」
「うん、じゃあまずは自己紹介からしてくれる?」
「自己紹介、か。名前は森近 霖之助、ここ香霖堂で店主をしているよ。・・・・・・こんなのでいいかい?」
「そうそう、そんな感じよ! んじゃメモメモっと・・・・・・」


はたてはうんうんと嬉しそうに頷くと、懐から手帳を取り出してサラサラっとペンを走らせる。文の文花帖と違いだいぶファンシーである。
調子が出てきたのか、はたてはまたすぐに質問を繰り出した。


「えと、次は趣味を教えてもらえる?」
「趣味かい? そうだね・・・・・・本を読むことと、この店をやることかな」


霖之助がそう言うと、はたては少し呆れた顔をした。どこか間違えただろうか?


「・・・・・・お店は仕事じゃなくて趣味なの? ま、いいけど。それで、どんな本を読んだりする?」
「今は外の世界の本をよく読むね。ジャンルはなんでも。ほぼ無尽蔵に手に入るから飽きがこなくてちょうどいいんだ」
「なるほどー。それじゃ、私が外の世界の本を持ってきたら嬉しい?」
「ん? あぁ、嬉しいが・・・・・・?」
「はいはい、メモメモー」
「?」


かなり個人的な質問に霖之助は少し怪訝に思ったが、すぐさまはたてが質問を出そうとしたので気にしないことにした。


「う~んと、次はお兄さんおすすめのスポットを教えて!」
「スポットかい?」
「そう、場所よ場所。お兄さんオススメのスポットで何かスクープがあるかもしれないじゃない?」
「スポットか・・・・・・オススメとは言えないが、無縁塚にはよく行くね。あと君たちの妖怪の山とかかな」
「お兄さん山に来てるのねー。えっと、どのくらいの頻度と時間帯に無縁塚には行くの?」
「ふむ、大体月に4、5回くらいだね。時間帯は・・・・・・って、これはあまり関係ないんじゃないか?」
「え、そ、そう? あっと、メモメモ・・・・・・」
「・・・?」


やはりというか、確実におかしい気がする。
それからの質問というのも、「好き、嫌いな食べ物」「山や里に行く頻度、時間」など、あまりにも個人的な事しか訊かれなかった。


「それじゃ次は・・・・・・」
「・・・・・・ちょっと待ってくれ、何かおかしくないか?」


さすがに止めずにはいられない。
霖之助がストップをかけると、はたては急にビクッとした。あからさまに怪しい。


「え、な、何が?」
「君は取材のウォーミングアップだと言っていたが、あくまで君が訊くのは僕の道具などの知識だろう。少し僕のプライベートに踏み込みすぎている気がするんだが?」
「え、気のせいよ? あ、ほら、お兄さんはあまり人と関わらないから、手に入る情報が少ないと思ったのよ!」


どうやらはたては嘘が苦手のようだ。「演技ではないか?」と思うほど眼を逸らして弁明している。
・・・・・・言い訳をするのなら、せめて眼と眼を合わせて話して欲しい。


「はぁ、もう終わりにしていいかい?」
「あ、待って! そしたら、次で最後にするからあと一つだけ自由に訊いていい?」


慌ててはたてが訊いて来る。次で最後ならばこっちも願ったり叶ったりである。


「まぁ、一つだけなら・・・・・・」
「えと、そ、それじゃあ・・・・・・うん、決めた」


そう言うと、はたては真剣な表情をしてグッと自分の手を握った。よほどの質問が来るのだろうか?
それならこちらも構えておこうと、霖之助ははたてに倣い真剣に聞くことにした。


「今ここには文と私、二人の新聞記者が来てるわよね?」
「ああ、そうだね」
「それで、お兄さんは・・・・・・


はたてが質問を口に出す瞬間、香霖堂の扉が開き誰かが入って来た。


「霖之助さーん、文々。新聞を届けに」
正直どっちの記者が好きなの!?」
「来ました・・・・・・よ?」


・・・・・・時が、止まった。
質問内容、入ってきたタイミング、来た人物。全てが合致した奇跡の瞬間が今、誕生した。
それから数秒、状況を打開したのは文だった。


「ち、ちょっとはたて!? 今聞き捨てならないとんでもない質問が聞こえたんだけど?」
「あ、文の聞き間違いよ! ほらお兄さん、答えてっ!」
「・・・・・・いや、今お客が来たからコメントは差し控えさせてもらおうかな。来たら中断、という約束だったからね」
「えー! そうだけど・・・・・・ずるいよおにーさん!」


事前に言っておいた約束事が功を奏したみたいだ。何でもものは言っておくものである。
とりあえず霖之助は、なんとかはたての質問に答えずにいられて助かったと思っていた。今後の店の支障にもなりかねないので、こういう「誰が好き、誰が嫌い」類の質問は答えないが吉なのだ。
霖之助はなんとか窮地を逃れたと思い、ほっとしていたのだが


「ちょっと待ってください霖之助さん、私もそれは気になりますね?」
「文? 君も何を言って」
「あら文、珍しく気が合うじゃない? 体よく逃げ出そうたってそうはいかないんだからね、お兄さん!!」
「いや、だからだね・・・・・・」
「霖之助さん。お客が来たら中断、だったんですよね? 私は新聞を届けに来ただけであってお客ではないので、はたての取材はまだ続いてると思いますよ?」
「ぐっ、それは・・・・・・」


口八丁手八丁で鴉天狗には勝てそうにない。どうやら退路をもう片方の鴉天狗によって塞がれてしまったみたいである。
しかし、どうしていつもは反発しあう(本人達談)らしいのに、こういう時は無駄に連携プレーをするのだろうか。
はたてもはたてで、「グッジョブよ文!」と親指を立てていた。それでいいのか。


「さぁ霖之助さん、ここでハッキリとしてもらいますよ?」
「そうよお兄さん、これで私たちの勝負に白黒つくんだから、良い答えをお願いね!」


そう言いながらジリジリと迫る鴉二羽。下手に霖之助が逃げ出さないように、キッチリとミニ陣形を組んでいるみたいである。

・・・・・・少し前から思っていたのだが。


「「さぁ、お兄さん(霖之助さん)はどっちが好きなの(なんですかっ)!?」」


本当はこの二人、とても仲がいいのではなかろうか。
口には絶対に出さないが。いや、出したくない。後が恐ろしい。

ともかく霖之助は、このダブル鴉天狗の猛襲から逃れるにはどうすればいいかを考え・・・・・・すぐに結論に至った。
仮に「はたて」と答えようなら、文からの報復が。
仮に「文」と答えようなら、はたてからの口撃が。


「どう答えても、確実に悪い方向にしか行かないじゃないか・・・・・・」


人はこれを万事休すというのだろう。逆に、そうでなければ何なのかを教えてほしいところである。

・・・・・・これからはどうあっても、絶対にこの二人をここで会わせないようにしよう。
そう心に誓いながら、どんどんと迫ってくる二人を前に、どうしたものかと頭を抱える霖之助であった。

テーマ : 同人小説
ジャンル : 小説・文学

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